2017年4月21日金曜日

4月の和菓子 【鶴屋徳満】【孝子堂】

各地一瞬花見大会
これは私の造語に過ぎないのですが、今年の桜は長い期間、いろんな所で多くの桜を見ることができました。電車の車窓や車やバスでの通り掛けも含め、京都・奈良・香川・通りがかりの近隣県でも見られ、収穫の多い春でした。花は散ったかもしれませんが、地面に舞う花びらや川に流れる花筏を眺めるのも桜の最期を見届ける重要な“花見”だと思うので、実はまだ終わってはいませんよ。


個人的には桜以外に春は本当に生き辛い季節であり、このもったりした空気と精神不安定になる春が嫌いで仕方なく(嫌いとハッキリ言える対象は数少ないのですが)、夏の到来はまだかまだかと・・・まぁそのうち来ることでしょう。

はい。

和菓子界は季節季節の花を菓子に表現することは年中を通してなされることですが、この時期最も華やかな桜の和菓子を食べたい!見たい!と思い、今回【鶴屋徳満】さんで購入して帰りました。
もっとたくさんの和菓子店を巡って『桜』というテーマで、デザインの違いや色やぼかしの表現なんかを比べてみたいですが、これは年を重ねて毎年じっくり観察していくことにしましょう。

左側の和菓子
【春爛漫】  咲き誇る満開の桜の花を、こなし生地とこしあんで表現。
いろんな種類の桜の形が型取られています。
はるらんまんの~♪母校の三木高校の校歌の歌い始めのことばが浮かび、この和菓子が気になりました。
この帯のような生地は関西特有の生地で「こなし」と言い、関東でいう「練りきり」生地のようなものです。そもそも製法と配合が違うので、同じ位置づけはできないですが、この生地がつかいこなせたら一人前や!という意味合いもあり、「こなし」と言われます。
練りきりよりも粉が多めでしっかりした食感です。桜の力強さと一面のピンクの花びらを感じながら頂きました。
色ムラかな??と思ったら、内部が実は二層になってて、見えないところ芸が細かくて、驚かされました。


右側の和菓子
【山吹】   忘れてはならない春の花、山吹。埼玉県川越市の花でもあります。日本の色の呼び方に山吹色と呼ばれる色があるように、古くから日本に自生する花です。黄色の中でも日本人に合う黄色、と言いますか、美術関係の方からは怒られるかもしれないですが、自然の花から純粋に名付けられた山吹色はメイドインジャパンな色だと思います。

そんな和菓子の山吹、黄色の中の、下地に入った黄緑のぼかし方が素敵です。木型と指先と色の使い方によって生まれるこの色加減。忘れられませんね。
生地は練りきり生地で、柔らかめ。美味しく頂きました。







ここからは各地一瞬花見大会。

八重桜、九重桜が見られました~。

紅枝垂八重桜。


雨の露にも負けず、街灯に照らされる夜桜。ライトアップではなく、たまたま街灯の傍にあるため、おいしい桜(*^。^*)


散り際が一番きれいだと思うんです。
というのも、桜は、満開の頃は白、散り際は花の中央辺りが紅色に近くなって散るので、より色づいて見えるのです。花が散るとめしべや花弁の部分の紅色が目立つので、桜の木全体をみると、ピンクが濃くなったように見えます。満開だけが楽しみじゃないんです。
葉桜になる頃は、幼虫に注意!


先日法事のため実家にて


【孝子堂】の和菓子
菓銘を聞いていないのが残念すぎるのですが、左から、

じょうよ饅頭・・・焼き印は藤。もうすぐ藤が咲き誇りますね。中はこしあん。
茶巾絞り・・・ピンクと黄緑で春らしい何かを表現。中は優しい白黄身あん。
きんとん・・・ピンクの咲く花、、野花かな、ツツジかな、サツキかな?中はつぶあん。

この色は何の植物かな?と想像を掻き立てる作業も和菓子ならでは。想像でしかないけど、その人の解釈に任せるという答えのない想像は十人十色なので、人の意見も聞きたいところ。


季節はもう5月6月に向かっている!!讃岐銘菓 和三盆のお干菓子。
型を作っておられる人間国宝の職人さん、実は香川県にいます。
もう型を作れる職人さんがいないのです。型は和菓子店の武器とも言えるので、ずーっと使われ続けます。(ホイップを絞る口金のようなものです)

意外と地元の人は知らないけど、ひとつひとつデザインがかわいくて、おいしいんです(・o・)



おまけ。
ラフランスの花
たんぽぽ。あるとほっこり。

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