一年で最も多種の花が咲いている5月、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、ツツジの花で映える京都国立博物館周辺のお話です。
開館120周年記念特別展覧会『海北友松』(かいほう ゆうしょう)の展覧会を心待ちにしておりまして、念願の鑑賞を済ませ、感動。次の部屋へ移るごとに、ドキドキ、ないしはほっこりする絵に癒され、一人の画家の展覧会とは思えないほどの幅の広い作風で大変楽しい内容でした。
桃山時代~江戸時代に活躍した画家なので、時の天下人や文化人との交流や、歴史的背景、時代情勢がキーポイントとなっています。その辺りの歴史好きにとっても、並行して楽しめる内容で、大変勉強になった展覧会でした。
個人的に、妙心寺、建仁寺などで拝見したことのある龍の図や襖絵ですが、やはり、時代と年齢と解説と歴史的背景、周辺前後の作品を把握するだけで、その画家にぐっと近づいたようにさえ感じます。展覧会をきっかけに、もっと好きになる。これに越したことはございません。
リニューアルオープンした平成知新館の前に看板があるので、記念撮影ができます!
念願の、トラりんさんにお会いできました!!!!(大ファンです、待ってました!)
120周年記念と琳派400年を記念して、尾形光琳の『竹虎図』から生まれました、虎形琳之丞(こがたりんのじょう)通称トラりんです。金土日は博物館に駐在しており、会いに行けるキャラクタ―なのです!
いつもハグをしてくれます。もふもふです。面白くてやんちゃな奴なので、見かけたらぜひ仲よくしてあげてください。この間、陣羽織をプレゼントしてもらったそうです。
たくさん咲いています、躑躅。つつじのことをちょっと調べたらとんでもないぐらいの種類がでてきました。ツツジとサツキの見分け方もよく分かってないのに、、と思っていたら、なんと、
ツツジとサツキを区別しているのは日本だけだそう。
原産はアジア。ネパールの国花です。
ツツジ科ツツジ属の類をツツジと呼ぶそうですが、それ以外のドウダンツツジ(満天星躑躅)もツツジと呼ぶので、なんだか謎です。ヤマツツジ、キリシマツツジ、など地名の付くツツジがあるように、江戸時代から品種改良がなされ、日本では馴染のある園芸種ですね。サツキも仲間ですが、シャクナゲ(石楠花)も仲間なんですって。確かに、、!
こちらは智積院さん
花の種類が多く見られる、実は静かな花の寺です。観光客で混み合うことはそんなになく、こっそりお勧めしたい寺院です。個人的には何回も来ていますが、植物の種類が多いので、いつどの季節に来ても新鮮なお庭が鑑賞できます。
長谷川等伯父子の『桜花図』『楓図』などの国宝を鑑賞でき、当時の輝きを再現したレプリカを間近で見ることができます!!
大半の人は、名勝庭園↑しか見ずに帰ってしまわれますが、智積院内の順路は、全てのお部屋と北庭、枯山水庭園、お堂、渡り廊下など順路に沿って行けばすべてを隈なく見ることができるのです。
ゆっくり見れば、こんな発見も。門徒の遊び心でしょうか。素敵です。
新緑の青もみじが爽やか。
廊下から見える空間にも。
という、智積院でした。博物館にお寄りの際はぜひ。
こちらは、海北友松展が始まる以前、博物館の庭園・茶室公開の際、トラりんとコラボの和菓子を頂きました。【俵屋吉富】さん謹製で、なんとも細かいトラりんの薯蕷饅頭でした。俵屋さんは雲龍で有名ですよ。
茶室横の沈丁花、とても綺麗でしたー。
ぐるっとまわって、豊国神社。ザ桃山文化な御門です。この門の正面の通りが「正面通り」と言いまして、何の正面や!?というと豊国さんの正面なんですね。天下人秀吉が支持されていたことが分かりますね。
さらに絵馬は瓢箪型。豊国さんですもんね。
豊国神社を出て、博物館西側の石垣。これ、かなり大きな石ですが、、、
この石垣、方広寺の遺構なんです。こんなに大きな石を石垣に使っている、秀吉の権力を表しているのです。つまり、博物館は方広寺の敷地だったんですね。
博物館の角にある『大仏前交番』一体何の大仏?ってなりますよね、
実は京都には奈良の大仏よりも大きくて金ピカな京都大仏なるものがありました。方広寺の大仏として、秀吉が造らせたのです。(燃えてしまいましたが。そして方広寺も家康との対立となる鐘があり、結果的に炎上します。)
方広寺が秀吉の財力で、どんだけ広かったか分かる遺構が周辺に実はたくさんあります。
博物館の石垣もそうですが、こちらの南大門もそうなんです。
違和感を感じませんか??↓
蓮華王院三十三間堂は、平安時代に平清盛が建てたもの。
ですが、建立は桃山時代。つまり、三十三間堂前のこの南大門は方広寺の南大門であり、参道だったということ。軒瓦を見ると、豊臣家の家紋が。三十三間堂の南側の塀を「太閤塀」というそうです。おもしろいですね。
長くなりましたが、博物館周辺、東山七条のお話でした。
語り始めたら止まらなくなるので、細かいところ省いているのですが、案内希望の方はぜひご案内します!(・o・)
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