立派な角がご自慢とも言えるこの季節の牡鹿くんたち。
牡鹿にとっては最大のかっこいいぜポイントなんでしょうが、奈良の鹿はこの時期、角を切り落とされてしまうのです、、、!!なんだって!?
と鹿目線で始めかけていますが、改めまして。
この行事、江戸時代から続く春日大社の「鹿の角切り行事」という恒例行事なんです。
今回は鹿イベントと、高畑町で発見したカフェの話です。
【cafe ZUCCU】
民家だったと思われる建物、中に入ってみるとカウンター席やソファー、いろんなタイプの席があってどこに座ろうか迷ってしまいます。ですが、やはり目の前に本が並んでいるほうが落ち着くので、カウンター席をチョイスしました。
スイーツメニュー以外に、お食事ものやカクテルもあるので、いろんなシーンに使えそうなカフェです。
今回は、お珈琲と、季節のタルト(本日はいちじくのタルト)を注文しました。
ご覧の通り、綺麗に盛られた素敵ないちじくタルトでした。
珈琲はブラックだとちょっとホロ苦めのタイプだったので、個人的にはミルク全量とお砂糖を入れてちょうどよい美味しい味になりました。
お皿がタルト型を意識したような、タルトにぴったりのお皿!!と喜んだ客は私だけではないはず。コーヒーカップはどことなく北欧調で、この温かみのあるオレンジカラーが一瞬にして気に入りました。手触りも良くて、次に来たときもこの種類のカップが出てきたらいいなぁと思いました。
たまたま目の前にあった本は井上ひさし、五木寛之、宮部みゆきシリーズが多くあり、店主さんが好きなのかな・・・?と思ったり。あんまり手が伸びなかったけれど、森鴎外の本を見つけて嬉しくなりました。
(鴎外先生は、大臣になってのち文化財を守るため動き回ってくれた人です。奈良帝国博物館の館長に就任し、奈良公園界隈で住まわれていたそう。現在は元邸宅の一部が奈良国立博物館敷地内に移築されています。)
【奈良の鹿 角切り行事】
奈良の鹿愛護会にて、毎年10月中旬の三連休に開催される伝統行事。今年は初日は雨でしたが、二日目は春日さんの参道に行列ができるほどと聞きました。私個人的には「鹿サポ」のボランティアとして一日目に参加してきました。
テレビ番組の取材班も来て、この様子は毎年ニュースで流れるそうです。
このイベントを目的として奈良に観光に来られる方も多いようですよ。(歓声湧き上がるほど楽しいイベントなので、奈良を甘く見ていたあなたにおすすめ。と言う私も毎度来ているわけではないので、ちゃんと一連を見たのは初めてかもしれない!)
幕には春日大社の藤の紋が見えます。(このあたりで実権を握っていた藤原家と縁がある神社なので。藤、境内にはたくさん見られます。)この行事は春日大社の行事なので、始まる際に宮司さんが何か神事のようなことをされます。(あんまり見てませんでした)
一回の実演に三頭放され、愛護会職員さん・手慣れた行事担当の方が鹿を追い、江戸時代から使われていた「十字」という十字型の道具を使って角に紐を掛けます。
今年は若人が多く、なかなか捕まらず、観客も固唾を呑んで見守っています。臨場感があり、角に見事引っかかった時、拍手喝采が起こりました!
鹿と言えども、野生ですし、これからの繁殖期と冬季に向け、良い体格をしているので、
油断はできません。
奈良の鹿は、国の天然記念物であり春日さんのシンボルでもあるので、やさしく、やさしく、傷つけず、ござと枕まで丁寧に運ばれます。
暴れないように寝かせます。ちなみに、この時期の角はカルシウム化しているので、切っても痛くありません。人間の爪と同じです。春先は角にまだ血が通っているので、ふわふわしてあたたかいんです。
お客さんによく聞かれますが、安心してください、痛くないです。
ここで切る前に、鹿を落ち着かせるために、お水を少々飲ませます。大丈夫だよ~
それから、他の二頭からは見えないように紅白の幕で遮っておきます。鹿に対する配慮です。(鹿も慣れているとはいえドキドキしてますからね。)
角を切る神官役の人が手早く切っていきます。本当に、鹿のためを思ってか素早い、、!
お披露目~。ここでも拍手喝采!!
鹿には配慮してまだ目隠し↓
成長した角ってかなり重くて、切られた鹿は一瞬よろめいてバランス感覚がおかしくなったような様子なのですが、頭が軽くなって驚いていることでしょう。
(あれーーーー!?俺の角がない!)ちなみに一対で一万円前後のお値段。
基本的に鹿の角は勝手に抜け落ちるものなのですが、奈良の鹿がこうして人間に管理されているには理由があるんです。(管理と言っても飼われているのではなくてあくまでも野生。)
立派な角は凶器と同じで、繁殖期を迎える牡鹿は気が荒立っています。鹿同士あるいは鹿と人間のトラブルを未然に防ぐという理由で、江戸時代の奈良奉行所が始めました。当時は角切りは興福寺が取り仕切っていたようですが。
鹿と人間が共存するために、永く当たり前に続いている行事なのですね。
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