2017年8月23日水曜日

奈良の灯り、夏の燈花会。


ろうそくの灯りが似合うまち奈良。
(我ながら良さげなキャッチフレーズに仕上がったぞ!)

京都の東山・嵐山花灯路は株式会社ロームのLED電球で演出されていますが、奈良の夏の燈花会(とうかえ、と読みます)は全てスタッフとボランティアさんが開催期間の毎日、時間になったら、一つ一つ手で灯りを灯してゆきます。

 逆に開催時間が終わると一つ一つ消してゆくという、なんともアナログな方式で実行されています。しかしその手作業が、電球ではない蝋燭の火こそが、今と昔も変わらず、心安らぐ夜の灯となっているのではないでしょうか。
(ちなみに、冬に開催される瑠璃絵はLED電球。)
 なら燈花会は8月5日から14日までの9日間のイベントで、今年は台風のため一日だけ中止になりましたが、この時期に楽しめるイベントです。歴史のある行事なのかな、と思わせますが、始まったのはわりと最近で、奈良を盛り上げるために地元の有志とボランティアがメインになって始まりました。瑠璃絵も同じくです。

そもそも春日大社・東大寺には火の行事が伝統的に引き継がれており、それを知ってもらうというのもコンセプトになっていると思います。

他府県民が言うのもアレなんですが、奈良はPRがあまり上手ではないので、もっとここをPRしないと!!というツッコミどころはたくさんあるのですが、、、。せめてパンフレットやポスターに表示しないと、ただの似合わないイルミネーション行事になってしまうだけではないですか。というわけで私はガンガン伝えているつもりです。

 この燈花会、各会場ごとにこれ!という見て欲しいメイン的なものがあり、私の個人的なお気に入りは、『浅茅ヶ原会場』の竹細工オブジェです。他は平面に広がるだけですが、ここは、立体です!!ここポイント。
 それから、これは一体何の建物なのか。奈良国立博物館?いえいえ違います。『仏教美術研究センター』です。和風と洋風、オリエント調の混じった素敵な建造物なのですが、特別公開を除き普段は一般公開していないのが残念なところです。
歴史的価値のある建造物なので、通過する際はぜひ、足を止めてよく見て下さいね。
燈花会会期中は毎日文字が変わります!『浮雲園地』に設置。
 『浮雲園地』『春日野園地』に並ぶ燈花会カップ。これらすべてのカップはボランティアさんの手洗いです。ちなみに、~園地と付くのは奈良公園の中で県が所有している土地で、『飛火野』は春日大社の敷地(境内)になります。巨大寺社が並ぶと線引きも大変ですね。




東大寺大仏殿(だいぶつでん)は、お身ぬぐいのあと14、15日は無料拝観に!すすす、すごい人です!

東大寺南大門。国宝です。普段、ここを通るまでは無料で、大仏殿からは拝観料が必要です。
歴史の教科書でお馴染み、 南大門の左右両側にいるのは金剛力士像。素朴で力強い鎌倉文化を象徴する作品です。運慶・快慶父子の代表作です。
 めちゃでかい。見慣れてるとふつうだと思っていたけど、さすがに他の寺にこんな大きさのはなかなかないですね。



これが噂の大仏殿。↓でーんでーん!お顔の窓がオープンしているのがお分かりでしょうか。ちょうどお顔が見える位置に窓が造られており、決まった日に開くそうです。
大仏がでかいのと、もちろんこの建物も大きくて、圧巻です。
 大仏さん、下からかなり見上げる感じです。古きものですが、ちゃんとお掃除されていて、ぴかぴかです。この間大掃除されてましたもんね。(お身ぬぐいという行事)
 小学校の修学旅行で、柱の四角い穴を通過できるかやったような記憶が。小学生くらいの小さな身なりなら通れるサイズですが、大人は無理そうな穴でした。あんなんよくくぐったもんだわ。

個人的に、大仏の裏側にあった、東大寺の模型とか昔の屋根の瓦とか修復関連・資料関連のものが見ていて楽しかったです。修学旅行で東大寺に来ても、学生さんはこういうのほとんど見てないと思います、せっかく生を見ているのだからこれを見ずに何しに来た!?と思いますが、大抵重要なことは大人になってから気づく、、、そんなもんです。




ライトアップも相まって、なんだか竜宮城みたいです。

ちなみに、ライトアッププロムナードは燈花会期間に関係なく、9月半ばまでやっています。燈花会が終わっても興福寺の五重の塔や国立博物館、仏教美術研究センターは明るくライトアップされていますよ。


燈花会メイン会場から少し離れたJR奈良駅でも毎日日替わりで燈花会カップがJR職員さんによって並べられ、火が灯されます。
そもそも奈良駅にこんなにたくさんJR職員さんいたっけ??という数の職員さんが旧駅舎前広場で作業をされているのですが、業務というよりは楽しそうな感じで、高校の文化祭的な雰囲気を感じてしまいました。(笑)
楽しそう。
以上、燈花会の紹介でした。

糺の森、古書と森林浴のススメ

 やってまいりました、下鴨納涼古本市の季節。京都の書店界では有名御存知、萩書房さんの看板がお出迎えです。ここでぜひ記念撮影を。

 会場内、たくさんの書店さんが出店されていまして、下鴨神社参道の糺の森、両側にテントが並びます。全て目を通しきれないほどの古書や中には絵葉書、昔の記念切符など、骨董品に近いものまで並びます。



本との出会いは一期一会。この本あの時に買っておけばよかった!!と思い出すこともしばしば。森見氏の『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話体系』にもこの古本まつりのシーンがあり、憧れの乙女は小さいころ手に取った絵本を探して古本の中を巡ってゆくのです。古本との出会い、古本での出会い、森見氏は上手いことまとめていますので、古本まつりと合わせて森見氏の物語感もご一緒に楽しんで頂ければと、こっそり思っています。(少し昔まで、森見作品が苦手でしたが、最近になって面白さを感じてきたのです。こういう意味でも、本っておもしろい。)

 この旗が目印ですよ。

 自然豊かな、糺の森(ただすのもり、と読みます)が古本まつりの舞台です。
森見氏の作品で私の大好きな作品『有頂天家族』のタヌキの下鴨一家が住まう処でもあります。アニメでも描かれており、ファンにとってはテンションの上がるいわゆる聖地であります。大事なことなので書き記しておきますが、下鴨神社・上賀茂神社は世界遺産です。


 ここ下鴨神社は鴨川の合流地点通称、三角デルタの北側に位置し、東側の流れが高野川、西側の流れを賀茂川と表記し、加茂大橋(今出川)から合流して鴨川という表記になります。


 森です、都会(?)のオアシス。夏は木のトンネルが木陰になり、涼しくて気持ちがいいのでお散歩にお勧めです。

最寄は京阪鴨東線 出町柳駅。駅から少し歩きますが、出町ふたばさんや、京アニ作品『たまこまーけっと』の出町枡形商店街など、歩いて楽しいエリアですよ。
 新型車両、すごく乗り心地がよくて、お京阪さんにあこがれます。


本日はこの四冊との出会いあり!

ポスターがとってもかわいくてオシャレ!センスが神々しいぜ!
次回の古本まつりは百万遍知恩寺さんにて開催!
11月を楽しみにしておきましょう!